壁武者カタログ

壁武者

耐力壁の定番はOSBパネルですが、壁倍率は2.5倍で釘ピッチを外周@75にしても3.7倍です。H30告示1100号が改正され構造用パーティクルボードで4.3倍の壁倍率が出せるようになりました。弊社の建物では美園の建売からこれを使い始めました。1枚当たりの単価はOSBよりも少し高いですが、一棟全てパーティクルボードを使っても材料代では数万円のコストアップでした。

耐力壁としての性能は勿論高いのですが、あとは気になっていたのは大工さんの施工性です。やりやすいかどうか、これも長期のコストコントロールに置いて単価以上に大事だと思います。

現場でI大工さんに聞いてみたところ、OSBと比べると何と言っても精度が良い、釘ピッチが印刷されているので、釘留めしやすい、丸鋸でカットするのも切りやすい。OSBはカナダなどから輸送されてくるので意外と曲がっていたり、サイズが不揃いだったようです。それは知りませんでした。

ちなみによく聞く構造用パーティクルボードはノボパン(日本ノボパン工業(株)社製)ですがこちらは弊社の建材屋さんでは在庫してなくて毎回取り寄せになるとのことでした。壁武者(東京ボード工業(株)社製)は丁度先日在庫することに決めたとのことで凄いタイミングが良かったです。

パーティクルボードは(壁武者)大工さんの評判が良かったので今後も使っていこうと思います。ちなみによくある広告の様に、「これを使ったから建物が地震に強いです!」という事は決してありません。

間取の作り方、特に壁の配置やバランス、上下階の柱、壁の位置、基礎の配置、床や屋根の水平構面の強度、接合部にかかる強さに見合った金物の選定、などが地震に強い家に重要な要素になります。

壁だけ強くても今度は地震時に柱の上下の金物にかかる力が強くなったり、地震などの短期の力に対して、梁が押し曲げられたりします。そういうことを踏まえて部材を選定しないと逆に地震に弱い家になります。

むしろ意匠設計者の構造に関する知識の方が大事です。構造設計者は構造計算を依頼された時点でもう図面は決まっていますので、どんなにひどい構造計画の建物でも現状の設計をなるべく変えず、安全な建物になるように、耐力壁、筋交い、梁せい、梁の掛け方、基礎などを計算、考えていきます。

なので、構造計画から自分で考えて、他には無いような面白いわくわくするような建売を設計して、構造計算して自社で建てて、気に入ってもらった方に喜んで買ってもらう。これが今一番楽しい仕事です。

美園の建売10月完成予定です。

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