
登り梁の構造計算
勾配屋根の梁の掛け方は色々な方法があります。これは登り梁を使って梁をかけた家です。 屋根の傾斜成りに梁を斜めにかけてそこに合板を貼っていきます。火打ち無しで屋根構面だけで屋根の水平耐力を取ってます。耐震等級3も取れてます。
完成予想図です。深い軒が良い雰囲気になったとおもいます。
この物件は弊社の仕事は設計だけで、施工は地元の工務店さんです。 ちなみに、平面の間取りは誰でも書けます。 リビング、洗面、トイレ、子供部屋をここへ、、、など 新聞チラシの建売住宅の延長線みたいなものです。 素人さんでも書けます。 お客さんの中には「こんな家にしたい」と自分で書きだす人もいます。 地元の工務店さんも同じです。 方眼用紙に部屋を配置していけば間取り図は出来ます。 あとは建築士さんに確認申請を取ってもらって建てるだけです。 実は四角い家なら大して悩むことは無いです。 特に部屋と天井高さの決まっている家ならば、
平面プランだけあれば後は1~2日の作業で終了です。ただし、こう配屋根や、スキップフロア、天井高さや横架材間が変わる家の 梁の掛け方などを考えられる工務店さんは少ないです。
そういう設計業務や耐震等級3を取ったりする構造計算などの実務が出来る工務店さんは皆無に等しいです。 イエリードではそういう工務店さんの設計支援も行ってます。
作業内容:
- 土地探し
- 基本設計
- 実施設計
- 構造計算
- 確認申請
- フラット35設計審査(+耐震3取得)
平屋の登り梁の木造を設計しているのですが、house-ST1でできるのでしょうか?また、登り梁の場合、耐力壁は登り梁に沿った形にするのでしょうか?
いとうさん 初めまして、
質問1の返答
登り梁の構造計算はhouse-ST1で出来る人もいるし、出来ない人もいます。
house-ST1のソフトの説明には登り梁の一貫構造計算が出来るともうたってないし、入力、計算の仕方も説明書には書いてありません。
ではどうすればいいのかというと実際の力のかかる流れに即するように建物をモデル化して計算すれば良いのです。
それには束の入力やダミー柱を駆使するなど少しテクニックが要りますが、力の流れの考え方が分かり、ソフトの機能を上手に使う工夫ができる人ならばhouse-ST1で登り梁の構造計算は出来ます。
例えは悪いですが、、、(気を悪くしないでくださいね。)「鉄棒があれば大車輪は出来るのでしょうか?」、「自動車でドリフトは出来るのでしょうか?」の質問に近いと思います。私には大車輪もドリフトもできませんが、house-ST1で登り梁の構造計算は出来ます。
質問2の返答
耐力壁は登り梁に沿った形にすべきだと思います。
まとまった時間が出来たらその内記事で詳しく説明したいのですが、
屋根や床の水平構面に地震力はかかります。(重量が大きいから)
その地震力(水平力)を複数の耐力壁で支えます。その時耐力壁が水平構面に接してないと支えられません。
OSBパネルや筋交いを床梁と小屋梁の横架材に必ず留めるのと同じ考え方をする必要があると思います。
では斜めの梁に対して筋交いはどう留めればよいのか?
グレー本にはその方法は載ってないと思います。
確認機関に令46条の筋交いのルール外と言われると確かに否定できないので
筋交いならば46条2項ルート扱いにして、立体解析で筋交いをトラス材として考えて計算するか、
もしくは面材耐力壁にするのが良いと思います。
面材を継ぐときは横材を入れて接合することをお勧めします。
この辺まで来ると法律上の規定から若干離れていきますので、「設計者の判断」となると思います。