配筋工事

宮の森3-7:【基礎工事の注意点について】

基礎工事

地面の上で木造の本体を支える鉄筋コンクリートを作る工事を基礎工事といいます。これは現地で土を掘って直径1cm~2cmくらいの鉄筋を組んでその周りに合板で型枠を組んで、ドロドロのコンクリートを流し込んで固める。という工程なのですがおよそ1か月かかります。その様子と注意点をご紹介します。

ちなみに宮の森の基礎は布基礎という作りです。

ベース

まずは建物を支える一番下の部分です。
断面がアルファベットのTを逆さにしたような形の底の部分です。

ベースやフーチング(足 footing)と呼ばれます。建物のかかる荷重の大小によって45㎝幅や70㎝や1mなどと幅を変えて作るのですが、建物の安全性を確認しないで作る会社はベースをすべて同じ幅で造ります。


しかしそれはあまり良いことではありません。最近のデザイン住宅と呼ばれるようなLDKをどーんと広く取った間取りなどは基礎にかかる荷重に偏りがあり、全て45㎝~50㎝幅くらいで作っても構造計算を行うと建物の荷重を安全に支えためには実はベース幅が全く足りてません。

計算すると2階建てでも場合によっては75㎝~90㎝必要になることもよくあります。下の写真は75㎝幅です。

配筋

簡単に言うと凸凹した鉄の棒です。基礎が引張られる力に抵抗します。大事なのは鉄筋の格子の間隔と接手(つなぎ部分)が何㎝重なっているかです。基準は鉄筋の直系の40倍、つまり10㎜の鉄筋D10ならば下の写真のように40cmの重なりが必要です。

ちなみにコンクリートは圧縮力に強いですが引っ張り力に弱いです。鉄はその逆です。更に鉄は酸に弱い(酸化=さびる)のですが、コンクリートはアルカリ性でそのアルカリ性の中に鉄筋が埋め込まれているのでコンクリートが鉄筋を錆から守ります。鉄筋コンクリートとはそのお互いの長所と短所を助け合う20世紀の建築の世界の最高の発明と聞いたことがあります。

型枠組、HDアンカーボルト設置

型枠組です。造る建物によって幅や高さ、深さなど変わってきます。寒冷地は寒くて地面が凍るので凍らない深いところまで掘って作る必要があります。

その深さを凍結震度(過去記事参照)と言って札幌ではその深さは何と60㎝です。写真の型枠の上に出ている小さい金物がアンカーボルトと言います。その役割は地震や風などの水平にかかる力に対して上の木造の躯体が横に動かないように支えます。

太くて長い金物はHDアンカーボルトと言って地震の時に柱が抜けるのを防ぐ働きがあります。阪神淡路大震災では10万棟以上が倒壊してますがその木造住宅の多くは柱がずぼっと抜けて倒壊した建物が多いのです。

直下型地震でコンクリートの基礎と木造の建物部分が10cm以上離れてしまって柱が抜けたのです。その為に地震時に柱にかかる引き抜き力を計算して必要な本数のアンカーボルトやHD金物を設置する必要があるのです。

昔の細かく間仕切りされたような家では柱の引き抜き力が25KN~30KNもあれば十分でしたが今時の窓がたくさんある大空間のおしゃれなデザイン住宅は数少ない壁で地震の力に耐えるのでその分柱の引き抜き力が非常に大きくなります。

2階建てでも35~60KN(3.5トン~6トンの重さで引っ張られること)くらいの引き抜き力がかかります、以前MPHD108という記事にも書きましたが3階建てだと80KN(自動車4台くらいの重さに匹敵)以上かかることもあります。

最近ではおしゃれな家が多いですが、根拠のない2階建てのおしゃれな家には気を付けてください。それは大手であろうと中小工務店であろうと関係ありません。普通の2階建ての構造計算は25~30万円もあればできますので、相談している会社には必ず「構造計算」してもらうことをお勧めします。それを嫌がる会社は構造に関して信用できない会社といっても良いでしょう。

上下水道設備配管、ガス配管

コンクリート打設後気温によって必要な日数を養生して、土を埋め戻す前に設備類の配管工事を行い、土で埋め戻して、土間工事など、、、色々行って、気づいたら12月7日 祝!木工事着手(土台敷き)です!!

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